こんにちはHitouchの「T」です。
僕はパニック障害です。
>>>【絶望注意】告白!パニック障害になっちゃった話−第1話:出会い−
パニック障害は「脳の病気」です。
「死の恐怖」とまで言われている「パニック発作」を主症状とする病気です。
「声出していこー」みたいな、精神論や根性論でどうこうできる病気ではありません。
その昔、過呼吸やめまいで体調を崩す生徒に対して、根性論を振りかざす熱血教師がいましたが、今彼に問いたい・・・
根性で血圧が下がりますか?
パニック障害も一緒です、根拠に基づく「治療」が必要な病気です。
本記事では、「パニック障害の薬物治療」で重要な役割を果たす、「ベンゾジアゼピン系抗不安薬」に関してご紹介させていただきます。
【本記事の概要】
・パニック障害の薬物治療についてざっくり
・ベンゾジアゼピン系抗不安薬の効果
・ベンゾジアゼピン系抗不安薬の副作用
*)なお、本記事の情報は厚労省のウェブサイトを参考としています。
Contents
パニック障害の薬物治療「ベンゾジアゼピン編」
パニック障害は「脳内のセロトニンの働きが弱まる」事によって発症します。
そのため、「セロトニン」の働きを改善させることが当面の目標となります。
セロトニンの働きを改善させる作用を持つ薬が「SSRI」です。
>>>SSRIの詳細はこちら
しかしSSRIは「効果発現まで時間がかかる」というデメリットがあります。
「パニック発作が出ないようにする」根本的な治療ではありますが、いざパニック発作が起きたときには役に立ちません。
つまり、パニック発作が起きそうになったら飲む、「すぐ効く薬」がSSRIとは別に必要だということです。
このすぐ効く薬が「ベンゾジアゼピン系抗不安薬」です。
*)以下、厚労省ウェブサイトに加え、厚労省研究班による「パニック障害の治療ガイドライン」を参考に解説します。
パニック障害薬物治療の基本
パニック障害ではパニック発作を消失させることが治療の第一目標になりますが、それには薬物が有効で、上述のようにSSRIとBZD(ベンゾジアゼピン)が主として用いられます。
SSRIとBZDにはそれぞれ特徴があり、両者の長所・短所を踏まえた併用療法が推奨されています。
厚労省ウェブサイト
「SSRIはじっくりきく」、「ベンゾジアゼピンはすぐに効く」という特徴があるので、各薬剤を併用したり、使い分けたりしながら治療していくことになります。
「パニック障害の治療ガイドライン」によると、ベンゾジアゼピンはSSRIの効果が出てきたら、徐々に減量していく事が勧められています。
僕がやっている治療方法も、SSRIの効果が出てきたらベンゾジアゼピンを減量する、という方法です。
SSRIの効果が安定してきたら(1ヶ月程度必要)、SSRIを定期服用しながら、ベンゾジアゼピンを「頓用で使用」というのが基本スタンスです。
*)病態や社会環境に応じて治療方法は異なります。
ベンゾジアゼピン系を「頓用で使用」ってどうゆう意味?
「頓用」とは??
薬の服用方法(飲み方)で、食前、食後、就寝前などのように定期的に内服するのではなく、症状に応じて服用することをいいます。
頭痛・腹痛・不眠・発熱のときなどの症状に応じて、あらかじめ担当医から処方された薬を服用します。
国立がんセンター:がん情報サービス
頭がいたい時に「バファリン」
便秘になったら「コーラック」
みたいな感じで
「頓用」には、「症状が出た時に使う」という意味があります。
パニック発作の場合は??
頭がいたい時に「バファリン」
便秘になったら「コーラック」
パニック発作には「ベンゾジアゼピン系」です。
発作の症状が出てからSSRIを飲んだってもう遅いです。
*)SSRIは「発作を起こさないようにする」薬です。
いざ発作が起こってしまったら、即効性のある「ベンゾジアゼピン系」を使用するということになります。
*)可能な限り、発作の「前兆」段階で内服して、発作を起こさないようにするのが基本です。
SSRIとベンゾジアゼピンを使い分けて治療する
【薬物療法】
抗うつ薬とベンゾジアゼピンの併用で治療を開始する。
抗うつ薬としては、SSRI を第一選択薬とする。
それぞれの効果と副作用、長所と短所をしっかりと理解して、個々の病態や生活環境に応じて使い分けていくことが大切です。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬の効果
不安、不眠、不安に伴う自律神経症状など、不安症状全般に有効で、副作用も少なく(常用量では眠気、ふらつきくらい)安全性が高く、即効性である
厚労省ウェブサイト
なんといっても一番の魅力は「即効性」です。
パニック発作を経験して病院に駆け込む患者の多くは、「今にでもまた発作が起るのでは」と不安に怯えています。
そこで処方される薬が、「1ヶ月後に効きますからねー」ではお話になりません。
今、すぐに、なんとか安心させて欲しいわけです。
また、「いざ発作が起こりそう」と思った時に、「ベンゾジアゼピン系」を内服すると、速攻で効いて気分が落ち着きます。
そのため、「いざ発作が起こっても大丈夫」という安心感が得られます。
こういった理由から、ベンゾジアゼピン系を「お守りがわり」に持ち歩く、なんて事がいわれたりします。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬の副作用
短所:長く続けていると依存性を生じやすい、乱用の危険がある、急にやめるとリバウンドや離脱症状(不眠、焦燥、知覚異常など)が出やすい。
厚労省ウェブサイト
その「即効性」と気分を落ち着かせる効果が故に、依存性を生じやすいと言われています。
*)以下は僕自身が実際に使用して感じていることです。根拠はありません。
「ベンゾジアゼピン系さえあれば発作が起こっても大丈夫」でも逆を言えば・・・
外出時に「あっ!薬を忘れた・・・」なんて事になったら、それだけで不安な気持ちになります。
「お守りがわり」になる程の効果があるばっかりに、「薬がないと不安」という一種の依存状態に陥ってます。
あせらずゆっくりと、時間を賭けて解決していきたいと思います。
まとめ
ベンゾジアゼピン系抗不安薬とSSRIを上手く使い分けて、ゆっくりとパニック障害を克服したいと思います。
【まとめ】
・ベンゾジアゼピン系は「即効性」が特徴
・「依存性」などの副作用がちょっと心配
Sincerely,
Hitouch「T」