【医薬品流通の闇】流通から見る医薬品メーカー・医薬品卸・調剤薬局の未来:第2話

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*)大手医薬品卸の株価チャート

こんにちはHitouchの「T」です。
@hitouch_life

医薬品の流通には、メーカー・卸(ディーラー)・医療機関が関わっています。

この三者それぞれが協力することによって、薬は患者のもとへ届けられます。

とはいえ、医薬品の流通はボランティアではありません。

三者それぞれに思惑があり、それぞれが少しでも儲けようと考えています。

これは悪いことではありません。

資本主義においては当たり前の行動です。

この行動のおかげで、経済が発達し、より質の高いサービスの提供が可能になります。

さて、前回の記事(第1話)では、医薬品の値引きによって生まれる薬価差益という利益について、お話をしました。

まだご覧になってない方は、先にこちらの記事へ

こんにちはHitouchの「T」です。 @hitouch_life 医薬品の流れをご存知ですか? イン...

薬価差益というのは医療機関(病院・薬局)が得られる利益です。

本記事では、医薬品卸(ディーラー)が得られる利益というのを考えてみたいと思います。

この記事のおすすめ読者様
この記事は、ヘルスケアセクターに投資している投資家さん向けに書いています

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医薬品卸とはどのような存在なのか?

最新《業界の常識》よくわかる医薬品業界 (最新 業界の常識)

参考書籍:Amazonで価格をチエック

最新《業界の常識》よくわかる医薬品業界 (最新 業界の常識)

医薬品卸は、製薬メーカーから薬を仕入れ、医療機関に薬を販売します。

医薬品卸の営業マンはMSと呼ばれ、多種多様な医薬品の知識を備えています。

更にMSは医療機関との価格調整を行います。

ここが製薬メーカーのMRとは大きく違うところです。

製薬メーカーのMRとは?

一方で、製薬メーカーに所属するMRという仕事は、医薬情報担当者と呼ばれ、医薬品を適正に使用するための情報提供を行う仕事です。

MRはあくまでも医薬品を適正に使用するための情報提供活動が仕事であり、薬のセールスをしたり、薬の価格を調整したりするのは本来の仕事ではありません。

医療機関に対して、薬の価格調整にMRが関与することは禁止されています。

MRが薬の価格を調整することで、薬が適正に使用されなくなる恐れがあるからです。

うしくん

先生・・・この薬安くしときますんでぜひ使って下さいよ・・・

副作用はちょっと多いけど、その分安くしときますよ・・・

なんてことがあってはいけませんよね。

MRは、現場の医療関係者が適切に医薬品を使用するための情報を提供しています。

じゃあ価格交渉は誰がやるの!?

医薬品の価格調整を行うのがMSです。

厳密にはMSではなく、医薬品卸の担当者という事になりますが、MSは薬の値引き等の話を医療機関と行うことができます。

EBMに則った医療を行ために

薬の適切な使い方や効果、安全性の情報を提供するのがMRです。

そのMRの情報をもとに、医師は処方を決定します。

処方されれば、実際の医薬品が必要になります。

その医薬品を流通させるのがMSです。

この時に始めてMSが価格を調整します。

つまり、医師の処方決定には価格が関与していないという事です。

価格が関与していなければ、医師はその患者にとって最善の処方を行うことができます。

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医師の処方決定にMS(卸)が関与する!?

医師の処方決定は科学的根拠によって行われるべきです。

そのための情報はメーカー(MR)が提供します。

しかし・・・

そんな綺麗事ばかりではないことも事実です。

大学病院や大規模病院には、製薬メーカーのMRが頻繁に出入りします。

大きな病院というのは、多くの情報を必要としますので、MRに対するニーズが多いのです。

MRとしても、大規模病院で薬の良さをPRすることができれば、それだけ多くの医師が薬を処方してくれる事になります。

一方で開業医(クリニック)はどうでしょう?

*)〇〇内科とか、〇〇皮膚科みたいな町のお医者さんの事です。

クリニックには医師は1人(多くて数名)しか在籍していません。

しかも、クリニックは全国で大小合わせて10万件程存在します。

参考 厚労省ウェブサイト

製薬メーカーのMRが直接訪問して情報提供できる数ではありません。

となると・・・MSの出番です。

医薬品卸は薬を直接届けなければいけません。

つまり、MSは薬がある場所にはどこにでも行きます。

そうすると必然的に、MS(卸)が薬の情報提供をするという構図が出来上がります。

MSが薬を売るという構図

医薬品卸(MS)が情報提供を行う際にも、もちろん倫理に則った情報提供を行います。

とはいえ、MSも仕事です。

彼らは会社から言われたノルマを達成しなければいけません。

Aというメーカーの薬を売ってこいと言われれば、値引きしてでもその薬を売ろうとします。

たとえちょっと時代遅れの薬であったとしても、それを売れと言われれば売らなければいけません。

もちろん医師には高い倫理観がありますので、いくら値引きされようが、患者のメリットが一番です。

しかし・・・

どっちもそんなに変わらない』という程度の差であれば?

儲かる方の薬を使いますよね。

このどっちもそんなに変わんないという言葉は、人によって差があります。

うしくん

AKBと乃木坂ってどっちもそんなに変わんないよね?

どうですか?

人によって感じ方が違うはずです。

医師によって、『どっちもそんなに変わんない』という認識は異なります。

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医薬品卸(MS)が売りたい薬はどんな薬??

場合によっては医薬品卸(MS)が医師の処方に影響を及ぼす事が分かりました。

では・・・

MSが売りたい薬というのはどんな薬でしょう?

それはもちろん会社から『売れ』と言われた薬ですよね。

ではでは・・・

その会社である、医薬品卸が『売れ』というのはどんな薬でしょう?

アローアンスやリベートという存在

医薬品の流通にはアローアンスやリベートというものが、古くから存在します。

アローアンスやリベートというのは、製薬メーカーが医薬品卸に支払うインセンティブ(感謝料)みたいなものです。

先に述べたように、製薬メーカーは医薬品卸に薬を売ってもらっています。

医師の処方選択にMSが介入できるということは、製薬メーカーとしては、卸に営業活動を代行してもらっている形になります。

だからこそ、売ってもらってありがとう、というアローアンス(感謝料)がまかり通るわけです。

アローアンスが大きいメーカーの薬を売りたいよね

医薬品卸にとって、製薬メーカーから支払われるアローアンスという収益は、非常に重要な収益源です。

つまり、医薬品卸としては、より高いアローアンスを支払ってくれる製薬メーカーの薬を売りたいという事になります。

ということは、一歩倫理の道を踏み外してしまうと・・・

その医薬品の効果がどうということではなく、よりアローアンスが高いメーカーの薬をPRしてしまうことになります。

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医薬品卸(MS)も医療従事者である

医薬品卸も、その担当者のMSも医療従事者です。

最前線の医師や看護師を、縁の下で支える存在です。

医師がものすごく勉強して、どれだけいい処方をしようが、医薬品の流通が滞れば、患者は治りません。

医療において、医薬品卸というのは非常に重要な存在です。

医薬品卸は、倫理と利益の板挟みに合う難しい仕事です。

いくらアローアンスが支払われていたとしても、目の前の患者に必要な薬を届けるのが医療従事者としての倫理です。

本記事では、医薬品卸側の視点に立って、医薬品の流通を眺めてみました。

次回は製薬メーカー側から流通を眺めてみたいと思います。

Sincerely,

Hitouch『T』

第3話に続く→→

【医薬品流通の闇】流通から見る医薬品メーカー・医薬品卸・調剤薬局の未来:第3話

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