こんにちはHitouchの「T」です。
いやーしかしドル高ですね。
ユーロが売られているようで、ユーロドルがものすごい角度で落ちてきています。
欲しい・・・
買いたい・・・
今買ってたらなぁ・・・
やっぱ思った通りになった・・・
トレンドについていけなかった時には、こんな心理状態になりませんか?
ちなみに僕は「ものっすごく」なりますよ。
これは「ポジポジ病」っていう一種の病気です。
▼先週末にEUR/USDのショートを全部利食ってしまいました。
2018年5月7日現在、EUR/USDのショートポジションを持たない僕は、置き去りにされた子犬のような顔でチャートを眺めています。
FXとサーフィン
トレードを「うねり取り」とか「波乗り」と表現するように、
「トレード」と「サーフィン」は物凄く似ています。
僕は学生の頃にサーフィンをやっていました。
*)理由はもちろん「カッコいい」からです。
サーフィンを実際にやってみると、いろいろな事に気が付きます。
波待ち
一見ランダムに「波」が来ているように見える海も、上級者は皆同じように移動し、良い波を捕まえます。
僕みたいな陸サーファーからしたら、「なんで良い波が来る場所が分かるんだ?」という感じです。
上級者は素人には見えない「何か」が見えているのでしょう。
トレードで結果を出す人も、きっと「何か」が見えているのだと思います。
言葉で説明できなくても、体が分かっているんだと思います。
まさに「ゾーン」です。
「波待ち」という時間でも、上級者はやはり上級者です。
実力にあった波
波の高い日(ボラティリティの高い日)に素人が海(マーケット)に入ろうものなら、波待ちすらさせてもらえません。
波のない場所はどこか、波の来る場所はどこか、アタフタしながらそんな事を考えている間に、次の波がきます。
沖に出ることなく、ただ波にのまれ続け、気がつけば陸まで戻されています(ロスカット)。
プライド(資金)は失うけれど、なんとか生還できてよかったと胸をなでおろす事でしょう。
下手すれば沖に連れて行かれて・・・終わりです(強制ロスカットで一発退場)。
まずは自分の実力で「波待ち」が出来る日に海に入る事が重要です。
雇用統計にハイレバレッジで挑むということは、台風の海に入るのと一緒です。
エントリー
波が来るタイミングには「周期」があります。
波待ちをしていると、「セット」と呼ばれる「周期的な波の集団」がやってきます。
この「セットの良い波をゲットしよう」と必死でパドリングするわけです。
ですが、「セット」だと思って我先に飛び出すと、2本目が当たりだったなんてことはよくある話。
待てばいいというものではないと思いますが、「いかに待てるか」というのも技術です。
「いかに待てるか」
これはFXにおいても非常に重要な技術です。
波を乗りこなす
「ちょっとやそっと」練習したからといって、波を「乗りこなす」事なんか不可能です。
強いトレンドの発生している相場であっても、「押し目」はあります。
その「押し目」を拾って、波を乗りこなそうだなんて、そりゃ厳しいですよ。
「スキャルピング」で「頻回」に「技」を決めていくなんて、そりゃ厳しいですよ。
上級者がやると簡単そうに見えるんです。
上のサーフィンの画像、「気持ちよさそう」ですよね。
サーフィンをやったことないトレーダーの方は、実際に海に入ってみて下さい。
このサイズの波でも、沖に出る頃には「ぜぇぜぇ」です。
陸に戻る体力もないくらいに疲弊します。
繰り返します。
上級者がやると簡単そうに見えるんです。
気持ちよさそうに見えるんです。
FXとは「待つこと」である
EUR/USDの週足です。
どうです?ショートしたいでしょ。
少なくとも僕はショートしたい!
エントリーしたい!!
ポジションが欲しい!!!
海と違ってFXはいつでも簡単に入れてしまいます。
なんとなく「乗りこなせそうに」見えてしまいます。
ですが残念なことに、それほど「海」は優しくありません。
時には見送ること、待つことも重要です。
自分の実力に合わない海には入らないように。
「セット」だと思って我先に飛び出さないように。
僕自身を戒めるためにも、この記事を書きました。
ここまでお読み頂きありがとうございます。
最後に・・・
僕が「ポジポジ病」にかかった際にやっている方法を紹介します。
読者の皆様も、ぜひご自身にあった方法をお探し下さい。
「ポジポジ病」克服作戦-自分との対話-
それは「極寒の冬の海」だった。
先輩のハイエースの隣に車を停める。
着替える手間を省くため、ウエットスーツは既に着てきている。
「今日波でかいよ」
「こんなでかい波で入ったことないっすよ」
「まぁ大丈夫でしょ」
会話もそこそこに、海に向かう。
うっすら雪の積もった白いビーチを背に、極寒の海に足を踏み入れる。
「冷たい」「寒い」という思い出は不思議とない。
それよりも、引波のパワーがものすごく、体中が海に引きずり込まれる。
その感覚ははっきりと覚えている。
ただでさえ身動きしにくい「フルスーツ」。
沖に向かってパドリングする僕に、容赦なく打ち寄せる巨大な波。
先輩についていくため、必死で沖に向かった。
・・・
まぁ大丈夫でしょ。
そう思って沖に向かったのが間違いだった。
・・・
なんとか沖に出た。
今までの嵐が嘘のように、沖は不思議と凪いでいる。
「セット」が来た。
波に乗るとかいうレベルじゃない。
気がついたら波にのまれ、方向感覚がなくなった。
水中でも潮の流れがものすごい。
水面がどっちかも分からない。
ようやく顔を出せたと思ったら、すぐ次の波にのまれる。
陸に戻りたい。
気がつくと一人孤立している。
周りにサーファーはいない。
陸に戻りたい。
引波が猛烈な勢いで僕を沖に引っ張る。
漕いでも漕いでも陸が遠ざかる。
もう腕が上がらない。
陸にもどれない。
焦る・・・。
呼吸が早くなり、心拍が上がる。
やばい・・・。
マジでやばい・・・。
巨大な波の爆発音が海全体を包んでいる。
助けを求める僕の声は届かない。
やばい・・・。
陸に戻りたい。
誰か!
誰か!助けて下さい!!!
・・・
・・・
・・・
エントリーすれば、あの時のあの恐怖を味わう可能性がある。
それでも僕はエントリーすべきだろうか。
・・・
・・・
エントリーするのか・・・しないのか・・・
・・・
どっちなんだい・・・
・・・
すーーーーーーるっ!!
Sincerely,
Hitouch「T」
「いやすんのかい!」
「せんのかとおもたらすんのかい!」
一度自分自身に問いかけてみると良いでしょう。
それでもやりたければ、後は自己責任です。
▼ナシーム・ニコラス・タレブさんの名著「まぐれ」の感想文です
▼結局「欲しい」「やりたい」という欲求には人間勝てません