
こんにちはHitouhの「T」です。
僕はパニック障害です。
>>>【絶望注意】告白!パニック障害になっちゃった話−第1話:出会い−
パニック障害って何?
という方はまずはこちらの記事をお読み下さい。
>>>呼吸ができない死の恐怖・・・パニック発作って一体なに!?
この病気はなかなかめんどくさい病気で、インフルエンザのように特効薬を使えば1週間で治る、という類のものではありません。
しかし、治らない病気ではありません。
必ず克服できます!!
少なくとも僕はそう信じて治療を続けています。
本記事では、治療に重要な役割を果たす「SSRI」という薬について紹介します。
【本記事のオススメ読者様】
・パニック障害を克服してやる!という方
・パニック障害に悩む方、そのご家族やご友人
・SSRIって一体何?という方
・国家試験やばいっていう薬学生
Contents
幸せホルモンを操る魔法の薬!?SSRIとは一体何??
パニック障害には大きく分けて2種類の治療方法があります。
・薬物治療→今回の話はこっち
・認知行動療法(精神療法)
どちらかを選択するというものではなく、一般的には並行して治療が行われます。
薬を使いながら、いろいろなトレーニングをして、脳を正常な働きに戻していく
というのがパニック障害の治療方法です。
*)情報ソースは基本的に「厚労省のウェブサイト」を使用します。その他情報源があれば別途記載します。
パニック障害の脳内はどうなっているの?

本記事で紹介する「SSRI」という薬は、パニック障害の薬物治療において、中心的な役割を果たします。
SSRIの作用を理解するためには、「パニック障害患者の脳内で起こっている事」を知る必要があります。
こちらの記事に詳しく書いていますので、興味のある方はまずこちらをお読み下さい。
脳内の「セロトニン」が働いてない!?
脳内では様々な物質が働いてます。
「アドレナリン」は「元気」を
「ノルアドレナリン」は「不安」を
「ドーパミン」は「喜び」を
「エンドルフィン」は「幸福」を
「セロトニン」は「冷静さ」を司っています。
*)ざっくり書いてます。もちろん作用はこれだけではありません。
これらの脳内物質が、お互いに協力することで、「いい感じ」にやる気があって、「いい感じ」に不安を感じ、「いい感じ」に冷静でいられます。
通常、不安を感じる時は「ノルアドレナリン」が増加します。
それを「セロトニン」がなだめることで、「いい感じ」に冷静さを保っています。
怖いことや不安なことがあっても、冷静に対応できるのは「セロトニン」の活躍が大きいです。
ちなみに、「セロトニン」は「幸せホルモン」なんていわれるように、セロトニンの働きを活発にしてあげることで、「幸せ」を感じやすくなるともいわれています。
しかし、パニック障害の患者は「セロトニン」が上手く働きません。
その結果、小さな事で不安を感じたり、その不安が抑えきれずに「パニック発作」を起こしてしまいます。
不安なんて感じる必要ある?
不安を感じる能力は人間にとってとても重要です。
不安を予見できる人は、ビジネスでも大活躍できる事と思います。
しかし、「度が過ぎる不安」は身を滅ぼします。
パニック障害とはいわば、「不安の度が過ぎる」状態です。
「不安」から開放されるにはセロトニンをを増やせば良い!!
パニック障害の脳のメカニズムが理解できると、「セロトニン」を増やしてあげれば良いという事が分かります。
つまり「セロトニン」を増やす薬が「SSRI」です。
選択的セロトニン再取り込み阻害薬「SSRI」
「Selective (選択的)Serotonin (セロトニン)Reuptake (再取り込み)Inhibitors(阻害薬)」の頭文字をとって「SSRI」です。
SSRIの薬理作用は?
選択的セロトニン再取り込み阻害です。
読んで字のごとく、「選択的」に「セロトニン」の「再取り込み」を「阻害」するのです。
もう少しわかりやすく説明します。
脳細胞には「すきま」がある?

脳の神経細胞はおおよそ1000億個。
それぞれが連携し合って、手をつなぎ合って「つながり」を作っています。
しかし、がっちり手をつなぎ合っているわけではなく、手と手の間には「すきま」があり、「バトン」を渡し合って、情報を伝達しています。
この「バトン」の役割を果たすのが、脳内伝達物質である、アドレナリンやセロトニンです。
*)上の図は「バトン」ではなく「バナナ」です。
余ったセロトニンは元の場所に戻る!?

通常、セロトニンが一方の神経細胞から放出されても、もう一方が受け取りきれない場合があります。
この「余った」セロトニンは、もとの細胞の方に戻ります。
このプロセスが「再取り込み」です。
SSRIは脳細胞のすきまの「セロトニン」を増やす

SSRIは「選択的セロトニン再取り込み阻害薬」でしたよね。
「選択的」に「セロトニン」の「再取り込み」を「阻害」するんでしたよね。
つまりSSRIは、セロトニンだけを「選択的に」、「再取り込み」、「できない」ようにしてあげることで、「すきま」のセロトニンを増やす薬です。
こうやって考えれば簡単ですね。
SSRIのポイント
・SSRIは隙間のセロトニンを増やす作用がある
・セロトニンが増えることで「不安」の減少が期待できる
・再取り込みを阻害するだけで、新しくセロトニンを作り出す作用があるわけではない
SSRIは隙間のセロトニンを増やす薬です。
セロトニンを増やすことで、「不安」を取り除く効果が期待できます。
しかしSSRIは、セロトニンを「作る」薬ではありませんし、SSRIそのものがセロトニンなわけではありません。
SSRIの注意事項
SSRIは、幸せホルモンであるセロトニンを増やして、不安を取り除くという、夢のような薬ですが、使用する際にはいくつか注意すべき点があります。
副作用
SSRIは副作用が少ない安全性の高い薬だといわれています。
しかし、まったく副作用がないわけではありません。
投与初期(1~2週間)に眠気、吐き気、食欲低下、下痢、軟便などの副作用や、一時的な不安の増強がみられることがある(少量から開始し、徐々に増やしていくことで防ぐことは可能)
厚労省ウェブサイト
特に起こりやすい副作用は「眠気」と「下痢」です。
僕も内服を始めてからは、すごい「眠気」を感じます。
常に眠いというよりは、一度スイッチが入ると「立ってられないくらい眠い」という感じです。
効果発現が遅い
効果発現までに2週間から4週間ほどかかります。(→テストに出るぞ!)
飲んですぐ効くというタイプの薬ではありませんので、ゆっくりと時間をかけて治療をする必要があります。
断薬症状
SSRIを急に中止すると、断薬症状といって、頭痛、めまい、感冒様症状などが出ることがありますので、必ず医師に相談し、指示通りに服用または中止するようにしてください。
厚労省ウェブサイト
こわっ!!!
でも安心して下さい!
しっかりと症状を診ながら、専門医の指示通り内服すれば大丈夫です。
僕も自身も飲んでます。
怖がる必要はありません。
あとがき
パニック障害は脳の病気です。
根性論だけで治療できる病気ではありません。
気合ではパニック発作は抑えられません。
使いこなしてあげることで人生を豊かにできる、それが「薬」です。
「薬物療法」を怖がる必要は何もありません。
薬に頼ることを恥じる必要は全くありません。
根性論だけを振りかざし、「ワシは絶対薬は飲まん!」と言っているようなガンコオヤジこそ、自身の愚かさを恥じるべきです。
「自分はパニック障害かも?」そう思った方は、迷わず病院に行って下さい。
理論に基づいた治療を行えば、必ずよくなります。
必ず・・・
Sincerely,
Hitouch「T」
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